『様子見』も治療の一環です
[保険診療] [患者さんからの質問] 2012-01-25 | コメント(0) |
「噛むと歯がズキンと痛いんです」
歯を見ても、レントゲン画像を見ても、虫歯はない。歯が割れているということもない。。。
なのに、噛むだけでズキンと痛い。
となると、噛み合わせ不良による、咬合痛がほぼ原因に間違いなし。
先日来院の患者さんは、他院にて、咬合痛の診断で、歯の当たりの強い部分を削り、痛み止めをもらい、「来週来てください」と言われたそうです。
しかし、治療翌日に、僕の病院へ診察に来られました。まだ痛いからとのこと。
処置をしてもらっても、痛みに変化がなければ、患者さんは不安になる気持ちもよくわかります。
でも、僕の診断も前の先生と同じです。
咬合痛は、歯の当たりを削っても、すぐに完治しないものです。
歯の周辺組織に炎症が起こっているので、その炎症が引くまで痛みが続きます。
咬合調整をして、炎症が引くまで、
その間は痛み止めを飲んで、様子を見るのが得策です。
「痛いから」と、その歯の神経を抜いてしまうのは簡単かもしれませんが、痛いと思っていた歯がそこだけに収まらずに、隣も反対側も・・・と、痛みのある歯の神経を次々抜いてしまうなんて、けっして良い治療ではありません。
神経を抜くと、歯は化石状態です。
歯の硬さが弱くなりますし、色も灰色っぽく変色してしまいます。
咬合調整をして、炎症が引くまで、痛み止めで辛抱していただくことも、治療の一環です。
痛みが自然と引けば、むやみに歯の神経を抜くよりずっと良いことですから。
様子見も、治療の一環として大切なことなのです。