乳幼児でもフッ素塗布できますか?

今日は1歳4か月のお子さんのママさんからの質問です。


①虫歯予防にフッ素コートを考えていますが、一歳四ヶ月で可能でしょうか?
②またフッ素コートは保険外だと思いますが、どれぐらいするのですか?

③またフッ素コート以外に小さいうちからしておくといい診療等ありましたら、教えてください。
④奥歯も徐々に生えてきました。


とてもいい質問ですね!

虫歯予防にフッ素塗布は有効です。1歳4か月のお子さんでも、できますよ。

 フッ素塗布は保険診療外なので、てらうち歯科では、1回2000円ですが、
イラスト3.jpgまだトレーニングが必要な小さなお子さんの場合、検診の際に練習(=歯科治療に慣れる)ためにサービス(無料)でフッ素塗布してる場合が多いです。

フッ素塗布は3カ月に一回をおすすめしています。



『またフッ素コート以外に小さいうちからしておくといい診療等ありましたら、教えてください』

まず大切に考えているのは、「歯科医院に慣れて、怖がらずに診察台に乗れるようになる」
ということです。
予防歯科から歯科医院と関わることは、お子さんの今後の診療のためにも、大変良いことです。


痛みを伴う虫歯の治療の場合、緊急に処置が必要なので、しかたなく押さえつけて治療しなくてはならないこともあります。
恐怖心を植え付けてしまうので、とてもかわいそうです。



寝顔4.jpgてらうち歯科では、スタッフが、パパの気持ち・ママの気持ちで接します。
自分で進んで治療を受けれられる子に、育ててあげることを大切に思っています。



虫歯予防の観点からは、フッ素塗布以上に大切なことがあります。
『食生活習慣』です
ダラダラお菓子やジュースを口に入れる生活環境にあると、常に口の中が酸性になっているため、
目には見えないですが、歯が溶け続けている状態です。
食べた後にすぐに歯を磨いても、口の中の酸性状態は変わりません。

食べたりジュース・ミルクを飲んだ後は、2時間以上何も食べない時間を作るのが理想です。
そうすると、溶けた歯の表面が唾液によって修復されます。
とはいえ、お子さんが小さい時は、なかなか2時間空けるのは難しいことも、よくわかります。
僕の子供たちも、2歳4歳6歳と幼いのですが、ちょこちょこお菓子を食べてますし・・・。
できるだけ、心がけてくださいね。

 

  一本磨き1.jpg奥歯も徐々に生えてきました』

生えかけの奥歯は、磨き残しを作りやすいので、
いつもの歯ブラシに、もう一本先の細い歯ブラシを用意して、仕上げ磨きしてあげるといいですよ。

 


  仕上げ磨き2.jpg

自分から進んで治療ができる子に

てらうち歯科の旧医院から、矯正の治療をしている

5歳の男の子が来院しました。

去年までは、診察台に一人で乗るのも怖がって泣いていたのに、

徐々に診察に慣れてきて、

今では、診察室にお母さんと離れて、一人で入って、

診察台に進んで乗るようになった姿を見て、嬉しくなりました。

衛生士のお姉さんの話もしっかり聞いて、まだ5歳なのに

自分の歯を自分で大切にする気持ちが芽生えていることがうれしかったです。

P6060572.JPG

てらうち歯科では、自分で治療が受けられる子になるように、

トレーニングをしながら診察を進めていきます。

外傷など、緊急を要する治療以外では、無理に押さえつけて治療をすることはありません。

小さな子でも、話しかけることで信頼関係は築けます。

なにより、怖い治療で歯科に対する恐怖心・トラウマを持った大人に育てないことが肝心だと考えます。

自分の歯は、自分で大切にしてください。これからも、大人になっても。

歯は道具です。ちゃんと手入れをして、ずっと使いたいものです。

乳歯が生え変わらない!

小学校の高学年になっても、「なかなか抜けない乳歯があるなぁ」と思っていて、

歯科医院でレントゲンを撮ってみたら「その乳歯の下に永久歯が無い」

もし、そう言われたら、どうしたらいいと思いますか?

 

永久歯に生え変わらない乳歯があることは、案外、他人事ではないんです。

その逆に、余分に永久歯が生えてくるケースもあります。(多くの場合、過剰歯は抜きます)

 

永久歯が無い!なんて聞いたら、かなりビックリしますよね?!

 

でも、まずは心配しないで。

うちの患者さんで70歳のおじいちゃんも、乳歯を永久歯同様に問題なく使っています。

永久歯が足りない(永久歯の卵が無い)人は、たくさんいます。先天的で、遺伝の場合が多いです。

乳歯が抜けるのは下から永久歯が生えてきて、乳歯の根を吸収(溶かす)するからで、永久歯が生えてこない乳歯は抜けません。


  混合歯列模型1.jpg     

模型で見て!ほら、乳歯の根っこもちゃんと長いでしょ。

  でも、抜けた乳歯の根っこは短いですよね。
 
                         images.jpg

わざわざ乳歯を抜いて、代わりにインプラントするのではなく、乳歯を虫歯にしないように大切に一生使ってくださいね!

 

歯は道具なので、きちんとメンテナンスして、乳歯を一生使えるように、心がけることが、大切です。

もっと知りたいことがあったら、またいつでも気軽に聞いてくださいね。

 

うちの子、歯磨きを嫌がるんです・・・

歯ブラシ1.jpgのサムネール画像まず、心配しているお母さんに一言。

「こどもは歯磨きを嫌がって普通です」

 

好きでないことでも、お子さんの体のために、習慣にしていかなくてはいけないことなので、

親の悩みの種になりますよね。。

 

歯磨きは、虫歯予防のためだけでなく、歯肉炎の予防のためでもあります。

歯肉炎は、小さな子供でも起こります。

歯に異物(食べかす)がくっついたままになっていると、その食べかすに接触している歯ぐきに炎症ができ、歯ブラシするだけで出血があります。

皮膚に絆創膏を貼りっぱなしにして、かぶれるのと同じように、歯ぐきも異物に対して、炎症を起こします。

 

さて、では、どうやって逃げ回るこどもの口にブラシをかけるか!?

 

まずは、お子さんと「歯磨きが何でイヤなのか」話し合ってみてください。

「歯ブラシは、○○ちゃんの歯にくっついているバイ菌をやっつけて、歯を大事にするためだよ」と、お子さんに、自分の歯を大事にするためなのだと教えて下さい。

まだ自分から言葉を発しない小さな子供でも、語りかけの様子で、大事な事を話しているのか、たわいもない話なのかを察しています。

 

仕上げ磨き2.jpg毎食後に磨くのが基本ですが、せめて夜寝る前には、一本一本丁寧に、フッ素入りの歯磨き粉を付けて磨いてください。

(歯の表面が汚れていると、フッ素が付きません)

 

磨いた後は、水・お茶以外の水分・食べ物は口にさせないことも肝心です。

 

P1010668.JPG歯科医院で、定期的にフッ素塗布をすることで、お子さんの歯磨きに対する意識を高めることもできます。

フッ素塗布では、衛生士による歯磨き指導も含まれています。

 

お母さんの語りかけに乗ってこなかったら、衛生士さんに語りかけを代わってもらうと、効果てきめんの子も多くいます。

 

痛みの処置で歯科医院に初来院するよりも、お子さんの『自分の歯は自分で大切にする意識』を高めていくトレーニングから、歯科医院との関係作りをしていくことが大切だと考えます。

 

乳歯の歯並びが悪いと永久歯も歯並びが悪くなりますか?

赤ちゃんに前歯がポツポツ2本並んで生えてきたときの様子は、本当にかわいらしいです。

ところが、いくつか歯が生えてくるうちに、あれあれ?!きゅうくつそうに重なってきたではないか!

 

乳歯の歯並びが悪いと、永久歯も、歯並びが悪くなる可能性大なのです。

 

歯並びが悪いのは、歯の大きさとアゴの大きさのバランスが悪いからで、

狭いところに無理に歯が生えてくるから曲ってきます。

 

子供用の8人がけの長いすに、10人の子供が座っているみたいな感じです。

そこで、小児矯正では、アゴの成長を最大限に助けることで、10人の子供がちゃんと座れるようにします。

また、永久歯に生え変わる頃には、そのいすが、大人が座れるサイズに成長させます。

 

正しい骨格に成長させることが、顔にも、歯の機能のためにも良いのです。

口の中が狭い子に、鼻づまりなど、鼻が悪くなりやすい子が多くいます。

小児矯正をしたことで、鼻のとおりが良くなるなどの効果もあります。

 

では、いつから始めたらいいのか?とお思いの方、

てらうち歯科の小児矯正の患者さんで、最年少は3歳です。

歯型をとることができて、装置を入れておける年齢なら、さっそく始められます。

 

年齢が少ないほど、装置を使用することが生活の一部となりやすいです。

大人が思う以上に、子供の順応性は高く、矯正の負担も少ないということです。

 

P6240123.JPGのサムネール画像 上顎用の装置

矯正装置のうちの一種類です。

これは、脱着式の装置(食事のときは、はずします)

中心にねじが埋め込んであり、そのねじを回して装置を広げます

 ねじを回したときの装着感は「ちょっときつくなった感じ」です。痛いほどは広げません。

 

他にも、取り外さないタイプなどもあります。

その子その子の症例にあった装置を作ります。

 

とくに、反対咬合(受け口)のお子さんは、永久歯になるのを待たずに、矯正を始めて下さい。アゴの成長をコントロールできるのは、成長期だけですから。

成長期にアプローチする方が、負担はずっと軽くすみます。

 

今日は、ママさんからの質問にお答えして、小児矯正をメインに書きましたが、

てらうち歯科に来院されている矯正の患者さんの年齢層は広いです。

矯正を始めるのに、年齢制限はありません。

かむ力が偏ると、そこから壊れてしまうものです。

かみ合わせのいい歯は、長持ちする歯でもあります。

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