乳歯がグラグラで痛がる時は

痛いよー1.jpg「子供の乳歯がグラグラで血もにじんでいて、痛がって寝ないんです」

親として、そんな痛がる様子を見ていると、心配になりますよね。

昼間なら、歯科医院に来院することもできますが、夜だと、近所の医院は開いていないし・・・

 

イラスト2.jpg まず、知ってもらいたいのは、『心配いらない』ということです。

 

 もうちょっとで取れそうで、とてもグラグラして痛い時は、お子さん本人に「今、取って楽になるか」「病院で、注射をして取ってもらうか」考えさせて決めてください。

 

「今、取る」と決めた場合は、お子さんに大きく深呼吸させて、息を吐いているときにサッと取ってください。(1~2回やって取れなかったら、お子さんがかわいそうなので、諦めて歯医者さんへ行ってくださいね)

もしラッキーにも歯が取れたなら、それからしばらく、清潔なガーゼを噛ませておけば15~20分ほどで止血できます。

 

「病院で取る」と決めた場合は、その夜は寝ているときに枕に血がつくかもしれませんので、タオルを敷くなどして寝かせ、本人には、血が出ていても大丈夫と安心させてください。

 

一昔前は、取れそうで取れずにくっついている乳歯は、親が乳歯の根元に糸を巻いたりしてポンッと取ってしまったものですが。

 

ただし、乳歯が取れずにそのわきから永久歯が生えてきている場合は、歯科医院に来院してください。乳歯の抜歯の必要があります。

 

今は、グラグラしている乳歯は、歯科医院に来院するケースがとても多いです。

歯科医院では、ぐらつきの程度によって、麻酔(注射)をする場合と、注射なしでポロッと取る場合があります。

麻酔をすることで、痛みがなくなると同時に、麻酔薬には止血効果もありますので、出血が少なくてすみます。

 

僕の父も歯科医で、当時、自宅が病院でしたが、乳歯は全部勝手に取れたか、自分でねじって取っていて、父に診てもらった記憶はありません。

それとも、診てもらったのに、僕が忘れてしまったのでしょうか。今は亡き父に、聞くすべもありませんが。

こどもの治療トレーニング

初めて歯科医院にやってきて、診察台に座って、じっと口をアーンと開ける。

 

できてしまえば簡単なことでも、小さな子どもたちにとっては、かなりハードルの高いことですよね。

 

イヤイヤ期1.jpg「見るだけだから痛くないよー」と言っても、心を開かずに、イヤイヤと泣き続ける・・・

付き添いのお母さんとしては、気持ちが焦るのもよくわかります。

 

でも、大丈夫!心配しないでその子の成長を見守ってください。

てらうち歯科では子供が自分で前向きに治療を受けられる子に育ってくれるようにトレーニングをしていきます。

 

トレーニングは、子供たちが大人になってから、歯科医院に対してトラウマを持つことがないようにする大切なステップでもあります。

実は僕は耳鼻科の治療が大嫌いです。トラウマがあるのです。僕の子供たち3人は、平気で治療を受けてくるのにもかかわらず・・・・。

 

大人の患者さんで、歯科治療に恐怖感を強く持たれている方の多くは、子供の頃の怖かった治療の印象が根強く残っています。そうなってほしくないのです。

 

 

僕自身、8才7才5才の三児の父です。患者さんである子どもたちにも、パパの気持ちで、温かく接しています。

時にはきびしい声かけもします。根底にあるのは、子供の「できる」を引き出すことです。

 

付き添いのご両親にお願いしたいのは、「ちゃんとできたら○○を買ってあげるから」と、物で釣るのはやめたほうがいいです。

二歳児2.jpgご褒美は、抱っこや頬ずりなどのスキンシップにしましょう。

子供の気持ちに「自分でできた!」といううれしさが印象づくからです。

 

前はできたのに、今日はできないなど、子供の気持ちは不安定です。

だから繰り返し言い聞かせてトレーニングすることが大切です。

どんなに大泣きしていた子も、必ず自分で診察台に乗って、笑顔で診療を終えるようになります!

歯科医師27年の経験で断言できます! 

生まれつき永久歯のもとがない

小学校の高学年になっても、「なかなか抜けない乳歯があるなぁ」と思っていて、

歯科医院でレントゲンを撮ってみたら「その乳歯の下に永久歯が無い」

もし、そう言われたら、どうしたらいいと思いますか?

 

案外、他人事ではないんです。永久歯に生え変わらない乳歯があることは。

その逆に、余分に永久歯が生えてくるケースもあります。(多くの場合、過剰歯は抜きます)

 

永久歯が無い!なんて聞いたら、かなりビックリしますよね?!

 

でも、まずは心配しないで。

うちの患者さんで70歳のおじいちゃんも、乳歯を永久歯同様に問題なく使っています。

永久歯が足りない(永久歯の卵が無い)人は、たくさんいます。先天的で、遺伝の場合が多いです。

 

今日は、13才の息子さんの永久歯欠如に関して、てらうち歯科ブログにコメントがありました。

永久歯が先天的にない方はけっこういますよ。不安にならないでくださいね。

乳歯といえども、歯として十分機能します。
虫歯や歯周病にならないようにメンテナンスをしながら大切に使ってください。



乳歯が抜けるのは下から永久歯が生えてきて、乳歯の根を吸収(溶かす)するからで、永久歯が生えてこない乳歯は抜けません。


  混合歯列模型1.jpg     

模型で見て!ほら、乳歯の根っこもちゃんと長いでしょ。

  でも、抜けた乳歯の根っこは短いですよね。
                           images.jpg

わざわざ乳歯を抜いて、代わりにインプラントするのではなく、乳歯を虫歯にしないように大切に一生使ってくださいね!

 

歯は道具なので、きちんとメンテナンスして、乳歯を一生使えるように、心がけることが、大切です。

もっと知りたいことがあったら、またいつでも気軽に聞いてくださいね。

指吸いは永久歯にも影響ある?

「先日、市の2歳半検診で、指吸いは3歳までにやめましょうと言われました。永久歯にも影響が出るのですか?」

と、質問のお母さん。

3歳までにやめる。というのは、あいまいな言い方ですが、明日4歳の誕生日だから、今日からピタリと止める。というのは、無理なので、今から、やめる努力をした方がいい。という意味です。

指しゃぶりの結果.jpg 

指吸いによって、前歯が指の太さの分、開いてしまう。というのは皆さんご周知のとおりです。

 

この状態は、食べ物を前歯でしごくことができませんし、発音障害も出てきます。

 

続いて、「乳歯は倒れてしまっても、永久歯に生え換わったら、ちゃんと生えてきませんか?」とのご質問。

指しゃぶり4.jpg 

乳児期の指吸いは成長過程の自然なのもなので、気にすることはありませんが、3歳を過ぎていても、頻繁に指吸いをしている場合、骨格に悪影響が出てきます。

骨に不必要な力がかかることで、歯並びのカーブがきつくなります。

永久歯に生え換わる時にも、そのカーブに沿って生えてきますので、歯並びが悪くなる可能性が高いです。

 

早くやめさせたくても、眠たい時には無意識で吸っているし、なかなか言い聞かせただけではやめない。と、悩んでいる親御さんはたくさんいます。

指しゃぶり防止に、爪に塗る苦い液体など、最近では手軽で効果が高いものがいろいろあります。

てらうち歯科では「マヴァラバイターストップ」という、指しゃぶり防止薬を用意していますので、無料でお試しいただけます。 

 

乳歯だから、ちょっとくらい虫歯でも大丈夫?

 「虫歯になったのが永久歯じゃなくて、乳歯の方でよかった」

「乳歯はどうせ抜ける歯だから、虫歯になっても大丈夫」

 

   『ピピー!』        

               イエローカード2.jpg イエローカードです

 

乳歯は、そのうち抜ける歯かもしれませんが、抜けるまでに虫歯を広げてしまうと、麻酔の注射をしたり、治療のために口を開け続けたり、と、まだ小さなお子さんには負担の多い体験をさせることになります。

 

  歯医者怖いよー.jpg歯医者恐怖症になった大人の患者さんには、幼少期の怖い体験が一生尾を引いて、症状が重くなるまで通院しない方が多くいます。

 

 

  イラスト4.jpg治療の恐怖体験はわかりやすいと思いますが、もう一つ、小児矯正の観点からも重大なことがあります。

虫歯で歯が欠けてしまうと、歯が動いてしまう点です。

本来の歯並びが維持できず、永久歯に生え換わる時、スペースが狭くてガタガタに生えてしまう可能性があります。

 

乳歯は「どうせ抜ける歯」かもしれませんが、将来のお子さんの歯並びや、歯科治療に対する前向きな気持ちをはぐくむためにも、大切にケアしてくださいね。

ページのトップへ