虫歯の穴

先日、来院の患者さんが、何気ない会話の中で、

 

CA8XQ3KH.jpg『小さい虫歯だったのに、前の歯医者で大きく削られたのっ』

(怒プンプン)そうおっしゃっていました。

                      きっとこんな虫歯だったのでしょう→

 

なるほど、ちっちゃい虫歯のうちに受診したので、詰め物が目立たないように治療が完了すると思いますよね。

 

小さい虫歯というのは、正しくは、穴の入り口が小さい虫歯だったのだろうと思われます。

 

images3.jpg虫歯は、表面が小さな穴に見えても、中に向かって、つぼ型に広がるので、中の方が広く虫歯に侵されています。

 中の虫歯を削って取るためには、入り口を広げる必要があります。

 

そのため、治療後は、患者さんの想像より大きな詰め物が付いているのです。

 

虫歯は進行すると、歯の中で広がります。

初期のうちに発見するためにも、定期的な検診をおすすめしています。

 

てらうち歯科では、再診の患者さんに、定期健診のご案内をお送りしています。

患者さんのお口の状態に合わせて、3ヵ月後だったり、6ヶ月後だったりしますので、

ハガキのご案内を目安にして、検診を受けて下さいね。 

授乳で歯が溶ける?!

「妊娠・授乳で、すっかり骨が減って歯がボロボロ」というママさん。

ママヘトヘト2.jpg授乳で歯の成分まで吸い取られてしまうイメージでしょうか。

 

実は、歯は骨ではありません

歯が植わっている口の骨は、骨です。

でも、歯、自体は、構造的にも組織的にも骨とは別ものです。

 

母乳を作るために、歯が溶けることもありません。

 

お母さんの歯の調子が悪くなったのは、赤ちゃんのせいではないですよ。

 

妊娠・授乳中によくあるお口のトラブルは、歯ブラシした時に血が出るなどの歯周炎(妊娠性歯肉炎)です。

歯ブラシ不足によるトラブルです。

 

お口のトラブルや不安は、妊娠前に要チェックしてください。

出産後に通院しようと思っていても、実際には、赤ちゃんのお世話に追われて、自分のことは後回しになるものですから。 

歯周炎(歯槽膿漏)

患者さんからの質問です。
 
『歯ぐきに炎症が起こって、歯ブラシすると血が出るのは納得いくけど、
歯ぐきの炎症で、どうして歯が抜けるのか不思議。』
 
なるほど、いい質問ですね! 
歯ぐきに炎症が起こると、徐々に周辺の骨をとかします。(ちなみに歯はとかしません)
3.jpg 
歯周炎が悪化すると、歯が植わっている骨(歯槽骨)をとかします。
そうすると、歯の根っこが歯槽骨に植わっている長さが短くなり、グラグラしてきて、歯が取れてしまいます。
 
患者さんによっては、『歯が伸びた』とか、『歯ぐきが下がった』とか、『歯ぐきがえぐれた』とか、『歯ぐきが痩せた』と、感じていることが多いです。
実際は、歯の周りの骨がとけた状態です。
 
歯周炎で抜けた歯の代わりに、インプラントで歯を作ることは、ほとんどのケースで、できません。
インプラントを植えるための骨が、歯周炎でとけてしまっているからです。
とけた骨を回復させる治療をしなければインプラントはできません。
 
歯周炎は歯に付いた汚れがきっかけで起こります。
歯石になった汚れは、歯ブラシでは取れません。歯科医院で除去します。
歯石に触れている歯ぐきは、炎症を起こします。炎症を治すには歯ブラシが有効です。
 
炎症がある歯ぐきは赤く腫れていて、気がつきませんが、歯石を取って、炎症が治まると、歯が伸びたように見えます。それは、歯槽骨がとけたため、歯ぐきが下がるからです。
 
5.jpg 
たかが歯石・されど歯石。歯石を放置することは、歯の寿命を縮めることになります。
 
歯石の付きやすさには個人差があります。ほどんど付いていない人もいれば、本来あるはずの歯の隙間が埋まるほど、べったりついてしまう人もいます。
 
下の前歯の裏側、上の奥歯のほっぺた側は、歯石が付きやすい場所です。丁寧に磨いてくださいね。
 
てらうち歯科では、歯石を除去した後、患者さん一人一人に合ったメンテナンスをご案内しています。
 
 

歯ぐきに膿(婁孔ろうこう:フィステル)

歯ぐきになにやらプクッと膨らみがあるけど、これ何??

フィステル1.jpgプクッと膨れて、数日後には、プチッとつぶれてぺっちゃんこ。

そしてまたプクッと腫れて。。

                  これ何??

これは婁孔(ろうこう)というもので、膿の出口です。

 

ろうこうができるケースでよくあるのは、歯の先端に病巣ができて、そこに膿が溜まった場合です。

溜まった膿は外へ出ようとして、歯の植わっている骨(歯槽骨)に横穴を開けて歯ぐきから外へ出てきます。

火山にマグマが溜まって、噴火するように、膿が溜まると外へ向かって出ようとします。

 

ろうこうができずに、膿がたまったままだと、膿が周りの組織を押すので歯がズキズキ痛みます。

 

ろうこうを治すには、歯の根っこの治療をして、膿ができる原因を除去します。

膿が溜まらなくなると、横穴の開いた歯槽骨も、再生されてふさがります。

 

骨に穴が開くなんて、ちょっとビックリかもしれませんが、歯の根っこの病気ではよくある症状です。

ろうこうを見つけたら、きっちり治療して、安心して歯を使えるようにしてくださいね。

 

乳歯が生え変わらない!

小学校の高学年になっても、「なかなか抜けない乳歯があるなぁ」と思っていて、

歯科医院でレントゲンを撮ってみたら「その乳歯の下に永久歯が無い」

もし、そう言われたら、どうしたらいいと思いますか?

 

永久歯に生え変わらない乳歯があることは、案外、他人事ではないんです。

その逆に、余分に永久歯が生えてくるケースもあります。(多くの場合、過剰歯は抜きます)

 

永久歯が無い!なんて聞いたら、かなりビックリしますよね?!

 

でも、まずは心配しないで。

うちの患者さんで70歳のおじいちゃんも、乳歯を永久歯同様に問題なく使っています。

永久歯が足りない(永久歯の卵が無い)人は、たくさんいます。先天的で、遺伝の場合が多いです。

乳歯が抜けるのは下から永久歯が生えてきて、乳歯の根を吸収(溶かす)するからで、永久歯が生えてこない乳歯は抜けません。


  混合歯列模型1.jpg     

模型で見て!ほら、乳歯の根っこもちゃんと長いでしょ。

  でも、抜けた乳歯の根っこは短いですよね。
 
                         images.jpg

わざわざ乳歯を抜いて、代わりにインプラントするのではなく、乳歯を虫歯にしないように大切に一生使ってくださいね!

 

歯は道具なので、きちんとメンテナンスして、乳歯を一生使えるように、心がけることが、大切です。

もっと知りたいことがあったら、またいつでも気軽に聞いてくださいね。

 

ページのトップへ